伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

ななみ、 SILENT STREET LIVE 2015「この歌は街を黙らせる。」を観に行く。

2か月ぐらい更新していませんでした。すみません。

 

 さて、さる9月10日にななみ、というシンガーソングライターのストリートライブに行った。場所は桜木町。昨今、路上ライブの取り締まりは非常に厳しいものがある。騒音や人通りの妨げとなるためである。

 

 実は、この時までななみのことをほとんど知らなかった。YAMAHAの主催するミュージックレボリューションでグランプリを受賞した人という程度である。(ちなみに、酸欠少女さユりが5th、ななみが6thである)

 

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 「面白いことをやる」と宣伝があったので行ってみた。確かに、この時の路上ライブは一風変わっている。

 

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 サイレントストリートライブ、という名前の通り、道行く人には何も聞こえないのである。ヘッドフォンの貸し出しをしており、それを装着した人にしか音楽が聞こえないのだ。桜木町の駅前広場に人だかりができていた。これは本人の企画らしい。ただ、音の問題は解決できるが、コストがかかるため、頻繁にはできないようだ。

 一目見た印象では、クールな人なのかと思ったが、歌にノリノリの子供に笑いかける様はとても優しそうだった。

 

もう少しプロフィールなどを知りたいと思い、調べると昔の記事があった。

ななみ「愛が叫んでる」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー Power Push

 

 インタビューの最後の方で「武器は自分の半生」と答える部分は本当に凄いと思う。

 何度か同様のことを書いているが、死生学の根本は、病や死などを通じて、生きることの大切さに気付くことである。病に倒れたことから、晴れやかな気持ちになったこと、歌い続けることが他人を勇気づけると考えていることなどは、死生学的だなと思った。

 

 ただ、残念ながら言葉にしたものを読むだけであると、ありきたりのように思ってしまうかもしれない。なぜなら、世の中にはもっと過激な物語があふれているからだ。

 しかし、私がこの路上ライブに行った時は、「本当に伝えたいこと」があるような、切実さ、誠実さを感じた。

 

 百聞は一見に如かず。彼女の代表曲を一つ紹介する。

 

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 文学的なレトリックではなく、とてもストレートに愛を歌う。

「I live for love」直訳すれば、「愛のために生きる」。日本語にしてしまうと、ラブロマンスを連想してしまい、少し気恥ずかしい感じもする。しかし、ここで歌われる愛は恋愛ではない。もっと幅広く、思いやり、気遣い、ケアのようなものと考えても良いと思う。何よりも、歌声が素晴らしい。

 MVも良い作品である。蒼波純の物憂げな表情から微笑に変わるところが、歌のメッセージを引き立てる。

 

 ちなみに、ななみのギターには、マリアの絵が描かれている。聖母や天使というのは、ファンタジーやアニメの世界では、おなじみのものである。しかし、彼女はアニメチックなところはみじんもない。つまり、ファッションや「キャラ付け」と言ったものではなく、本当に使命感のようなものを持っているのだろうなとこのストリートライブで感じた。

 

 

愛が叫んでる

愛が叫んでる

 

 

 

ななみ

ななみ

 

 

 

I'll wake up

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