『「眼力」をつける読書術』
- 作者: 吉岡友治
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【紹介】
小論文の塾を主催している著者による読書論である。読むことは情報の受信力を身に付けることに役立つと述べる。過去の情報や知識を蓄積しつつ、状況に応じて即座に組み替える。こうしたことを可能にするのが情報の受信力である。本書はそのための本の選び方からリーディングスキルまでを解いた本である。
【名言】
「他分野にこそヒントがある」
【感想】
著者には大学院入試のときにお世話になった。といっても直接師事したわけではなく、本を通じてではあるが。そうしたこともあって、私は著者の読書論が出ると聞いて喜んだものだ。この本のレビューが一番のりであるのもあり難い。
さて、本書の感想である。この本の扱う範囲は実に幅広い。小論文の講師なので、論文を読む技術は秀逸である。論文の構成、統計の読み方、主張の分析の仕方などは非常にわかりやすい。
また、この本はそうした論文形式の本だけではなく、小説や随筆の読み方にも触れられている。ビジネス本として出されたこともあるだろうが、ビジネスに役立つような読書案内もある。古典を読めという話に集約するのだが。さらに、子育てや老いなどのライフステージにも対応している。このように、多岐に渡る読書の読み方を展開している。
一つのことに興味が持続しない私としては「他分野に迂回するという方法」には勇気づけられた。
また、古典を薦めるだけあって、巻末の読書案内も様々なジャンルが扱ってあり面白い。