伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『社会で子どもを育てる』

社会で子どもを育てる―子育て支援都市トロントの発想 (平凡社新書)

社会で子どもを育てる―子育て支援都市トロントの発想 (平凡社新書)

【評価】 ★★★★★

【紹介】

 この本は、著者がカナダのトロントにおける子育て支援システムを紹介したものである。トロントでは、社会で子どもを育てる、という発想が共有されている、というのが著者の主張である。本書で中心となるのは、子育てのためのソーシャルワークであり、様々な機関の役割とその機関と連携するための方法が述べられている。

【感想】

 日本の新書ではなかなかおめにかかれないソーシャルワークの本である。ミクロ、メゾ、マクロレベルの機能や、コーディネーターとしての役割、エコシステムの説明など学生時代を思い出した。
 また、最終章にある「専門家の再トレーニング」としてリカレント教育の内容が取り上げられている点は非常に興味深い。

 余談ではあるが、ソーシャルワークの目的はソーシャルチェンジであるというくだりには勇気をもらうことが出来た。