『進学格差 深刻化する教育負担』
- 作者: 小林雅之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/12
- メディア: 新書
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仕事用
【評価】 ★★★★★
【紹介】
「大学全入時代」と言われるが、実態は全入ではない。大学進学を阻害する要因には様々なものがあるからだ。例えば、日本の高校生の進路選択に最も影響を与えているのは、高校生の学力、家庭の経済力、性別の三つである。
特に、金銭面での影響は大きい。日本において、大学へ進学することは「人生で二番目に大きな買い物」と呼ばれるほど負担が大きい。
しかし、日本の奨学金制度は貧弱であり、また「親が出すものだ」という考え方も根強い。このことは、奨学金(貸与ではなく給付)が豊富にあるアメリカや学費が安いヨーロッパ諸国とは大きくことなる。
【感想】
自分や周囲、仕事の都合上、進路について考えることが多い。「大学は高校へ行ってから考えれば良い」という話をよく聞くが「大学へ行くか、そうでないか」はもっと早い段階から決まっているのではないかという考えを裏付けてくれるものだった。
また、データも豊富であり、説得力がある。教育に関する議論をするのであれば、常識として抑えておきたい一冊である。