『知的創造のヒント』
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: 文庫
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【評価】 ★★★
【感想】
言語学者によるエッセイ集である。主に読むことと書くことそして、考えることについて述べられている。書いてあることに特別な目新しさはない。というのも、元々この本は1977年に書かれたものだからである。
興味深いのは以下の2点である。
一点は、忘れることを勧めていることである。睡眠による忘却が頭を整理することにつながると指摘しているのだ。このことは最近の脳科学によって証明されている。
30年以上前は今よりもずっと暗記教育が中心だっただろう。つまり、情報をつめことに価値が怒れていたのだ。その時代にこうした主張が出来るのは時代の先を見据えてたからであろう。
二点目は、パラグラフライティングを勧めている点である。日本語の段落はなんとなく構成されていて、読むほうも書くほうも「改行されいてるな」という程度の意識しか持っていない。学校の作文教育においても習うことがないと著者は指摘する。
全くその通りだと思う。上述したようにこの本は30年以上前に書かれた物であるが、その現状は今も変わっていない。小学校から大学まで学校では「自由に文章を書け」と言われる。だが、文章の形式を教え、内容は自由に考えろと伝えるべきである。