伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『14歳からの社会学』

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

【感想】

タイトルは「14歳からの社会学」とある。しかし、社会学入門と誤解してはいけない。この本は言わば「宮台真司入門」なのだ。

 社会学者、宮台真司の最近の考えを非常に平易に記述してある。例えば、「卓越主義的リベラリズム」の発想や教育には「感染動機」が必要である、という主張である。

 最近の著者の作品を読んだ人ならばこの本は必要ないかもしれない。しかし、著者の作品は難解であるため、著者の立ち位置を再確認することに役立った。

 興味深い点は「<歴史>を知る=戦略的に考える」という主張である。
 
 つまり、その時々にどんな選択肢があり、その選択肢を選んだことは何を意味するのかを知ることが重要である。そして、「どんな別の選択肢がありえたのか」を考えることが失敗学であるという。

 このあたりは日常にも活用できそうかなとも思った。