伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『搾取される若者たち』

搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)

搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)

【評価】 ★★★★

【紹介】

 バイク便ライダーという仕事に焦点を当て、労働問題を論じている本である。なぜ、不安定雇用の立場に甘んじるのか、なぜ危険な仕事を続けるのか。それは、自己実現を目指す若者たちが、職場のトリックによってワーカホリックになっていくためであると著者は説く。

【感想】
 
 著者は、バイク便ライダーのアルバイトの調査から、ライダー達がどのようにしてこの仕事にハマっていくのかを書いている。
 おそらく、このハマるというが著者のテーマであるのだろう。他の著書においても合コン、介護と分野は異なるが、ハマって抜け出せない人達の姿を描いているからだ。
 特に、統一されたユニフォームの効用や「隠居」ライダー(事故にあった歩合制のライダー)が排除されいく構造などは非常に興味深い。
 しかし、もう少し労働問題について理論的な背景が欲しいと思う。