伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『合コンの社会学』

合コンの社会学 (光文社新書)

合コンの社会学 (光文社新書)

【評価】 ★★★★

【紹介】
 
 合コンに参加する男女が求めているのは「運命の物語」である。合コンに参加する男女は、「偶然」に出会い恋に落ちることを演出するのである。しかし、その偶然の出会いは、意図的なものであり、社会の階層性や序列が明確な場である。また、同性間における協働と競争が行われる場でもある。この同性間の連帯感が合コンの楽しさを高め、参加者は中毒になっていゆくのだ。つまり、異性にであうための手段であった合コンそのものが目的化するということである。

【感想】

 面白い。特に合コンが自己目的化するあたりの記述は特に興味深い。しかし、今一歩踏み込みが足りないような気がする。この本はエリート階層へのインタビューを通して行われているが、他の階層の価値観との対比なども欲しかった。