伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『子どもにかかわる仕事』

子どもにかかわる仕事 (岩波ジュニア新書)

子どもにかかわる仕事 (岩波ジュニア新書)


タイトル通り、子どもに関わる仕事をしている人たちの紹介をした本である。小児科医や助産師や保育士から養護教諭、教員や弁護士、ソーシャルワーカーまで幅広い人物や職業について紹介されている。

 私はこの本の中に出てくる2名と直接会ったことがある。その二名とは、細谷亮太先生、山下英三郎先生であり、講演を聞いたことがあるのだ。本の中でまた出会えることはとても感慨深い。

 とはいえ、少し不満も残る。例えば、山下先生のスクールソーシャルワーカーは職業として確立しているとは言い難い。生活は困窮していたと本書でも述べられている。では、なぜそのような状況なのか。それを説明することは、本書の意図とはズレてしまうかもしれない。であれば、せめてその職業についてや実態などについて書いた本を紹介するべきだと私は思う。岩波ジュニア新書、という初心者向けの本であるならば、詳しく学びたい人へのブックガイドは充実させるべきであると私は思う。