伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『うらめしや、冥途の土産』展覧会に行く。

今回は短めに書きます。

 

『うらめしや、冥途の土産』展覧会に行く。

場所は、東京芸術大学 大学美術館である。

概要は、こちら↓

東京新聞:うらめしや〜 冥途のみやげ展

 

館内も薄暗く、雰囲気が出ていた。

作品展のテーマは「うらみ」である。怨念や心残りなどによって、幽霊となった人間の絵である。無念に死んだ人間の姿が掛け軸や錦絵などで描かれている。

 単刀直入に言うと、予想していたよりも怖くはない。特に、錦絵などで有名な「お岩さん」などが描かれているのだが、現代のテレビゲームなどでなれているとバケモノの姿としては少し可愛く思えてしまう。楽しむためには、江戸時代の落語や怪談などの教養が必要になるだろう。

 

では、なぜこの展覧会に行ったことをわざわざ記事にしたのか?つまらなかった、という結論なのか?

 

 そうではない。私が、驚いたのは一つの作品である。

それは下の能面である。

「生成」で「なまなり」と読むらしい。

この能面は嫉妬や恨みの籠る女性の表情を描いたものである。

恨みによって段階があり、生成→般若→真蛇と変化するらしい。

 

 ・・・・こういう表情の人、身近に何人かいるな。

 その人達は、よく怒っているけれど、「烈火のごとく」というよりは、蛇のような湿り気と冷たさを感じると思った。なるほど、般若や真蛇へと変化する途上にいるのか、と納得してしまった。

読者のみなさんの身近にもいませんか?

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