伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

「論理に強いこどもを育てる」

論理に強い子どもを育てる (講談社現代新書)

論理に強い子どもを育てる (講談社現代新書)

【評価】 ★★★★


仕事用


【紹介】

 本書は書くことを中心に論理的な思考を養成するための方法を述べている。とはいえ、論理学の本ではない。本書における論理とは、筋道を立てて説明することである。そのために、事実を観察すること、分類すること、比較すること、そして情報を整理=分析することの重要性が述べられている。


【引用】

「論理的に書くということは、ことさらに身構えなくても、実は、通常の文章を誰が読んでもわかるように、あるいは前提を共有しない相手が納得できるように書くことさえできれば、十分に達成されることなのです」

【感想】

 本書で論じられているのは、帰納法的な思考方法である。それを子ども向けに本や地図、文房具などを例に挙げて比較、分類、分析の方法を提示している。

 論理的思考の重要性が叫ばれる昨今であるが、ありそうでなかった本である。文章を書く前には考えることが必要であり、考える前には観察が必要である。言われてみれば当然のことであるが、こと教育の内容を振り返るとこうしたことは教わらなかったなと思う。