伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

「斎藤考の速読塾」

齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)

齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)

【評価】 ★★★★

文庫になったので再び購入。そして、レビュー修正

【紹介】

 タイトルの通り文章の速読の仕方の本である。重要な部分を読んで内容を把握する飛ばし読み、キーワードを理解すること、目次を読み全体像を把握することなどを述べている。
 また、著者は多読も勧めている。そのために同じ著者のものを読むことや同じテーマの本を読むべきだと述べる。さらに、読書仲間を作ることや本の買い方な読書への態度にも言及している。

【名言】

「a book ではなく booksという考え方」(p92)

【感想】

 著者は本を読んで理解することには三つのレベルがあるという。
A=読んで新しい価値を付与できるレベル
B=内容を要約できるレベル
C=読んだけど覚えていないレベル
本書は、この中でもAレベルを目指すべきだと言う。大衆向けに平易に書かれていると思っていたがこのAレベルを目指すのは中々ハードルが高いと思う。というよりも、このAレベルを目指すために系譜的な読み方が必要になると思う。

 紹介されている読書の技法については非常に基本的である。しかし、「どのようにして本(大量の情報)と向き合うのかわからない」という人がいたらこの本を推薦する。フォトリーディングや目を動かす訓練をするような速読法よりはよっぽど良い。

 とはいえ、こうした基本的なことを知らなかった中学生や高校生のときにこの本と出会っていたかったなと思う。

 もう少し具体的(かつ理屈っぽい)読書法が学びたいと言う人には アドラー「本を読む本」講談社学術文庫を推薦する。