伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『失敗学のすすめ』

失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

【紹介】

 本書は、「失敗学」とあるとおり失敗から学ぶということを述べたものである。失敗を「人間が関わっていること」「望ましくない結果」の二つの要素ある。また、失敗には階層性があることや、失敗の伝わり方には、特徴があることを明らかにしている。また、失敗を創造に活かすための方法や致命的な失敗を避けるための方法が述べられている。

【名言】

「そして失敗は続く」


【感想】

 古来より「失敗は成功の元」と言われる。しかし、当然ながら失敗はそのままでは成功にはならない。失敗を活用してこそ成功へとつながるのだ。本書はそのための方法が書かれている。
 失敗の階層性や、トライ&エラーを繰り返したほうが身につくという話はよく聞く。しかし、第三章の「失敗情報の伝わり方、伝え方」の部分はとても新しく感じた。
 失敗情報はローカル化しやすく、上下移動しにくい。つまり、失敗の本質や背景が伝わりにくいということである。だから、失敗を活かすための知識化する必要がある、という主張は興味深く読めた。