伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『打たれ強くなるための読書術』

打たれ強くなるための読書術 (ちくま新書)

打たれ強くなるための読書術 (ちくま新書)

【評価】 ★★★

【紹介】

 読書の目的は「知的にタフになること」であるというのが、著者の考えである。知的にタフというのは、正解がないことに耐え、複眼的な思考を持つことである。そのような思考力を身に付けるための本の探し方、選び方、読み方について紹介されている。
 
 本の読み方については「初級読書」「分析読書」「比較読書」「批判読書」の四段階に分けて述べられている。
 初級読書とは、書いてあることを字義通りに理解する段階
 分析読書とは、事実、推論、主張に分けて理解する段階
 比較読書とは、分析したものを別の本と比較する段階
 批判読書とは、本の価値を下す段階

【感想】

 教養主義や人格陶冶としての読書ではなく複眼思考を身に付けるための読書論というのが面白い。コンセプトとしては著者も言うように「本を読む本」に近い。つまり、読書の技法を伝授しようというものだ。しかし、肝心の本の読み方についてはもう少し詳しく書いてもよいと思う。約200ページある中で四分の一程度しか使われていないのは残念である。