伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『ニッポンの大学』

ニッポンの大学 (講談社現代新書)

ニッポンの大学 (講談社現代新書)

【感想】

 日本国内の大学を様々な点からランキングしたものを載せている。その内容は多岐にわたる。入試倍率から就職率、スポーツ選手や作家、国会議員の輩出数まで実に様々なものがランク付けされている。
 
 ここで、興味深いのは、著者はこうしたランキングを書いていながら、ランキングすることに懐疑的な点である。これは解説の内田樹も述べている。

  日本人はランキングというものが大好きで、海外のランキングに自分の大学のランキングがでると様々な感想が出る。しかし、その順位がどのように算出されたのかは誰も問題にしない。大学の研究者や学長ですらその結果に一喜一憂するだけだ。この本はこうした価値観にたいするアンチテーゼなのである。
 
 秋から冬の受験シーズンにかけて、様々な雑誌で学校のランキングが掲載される。こうしたものを鵜呑みにするしかない企業の人事などに読ませたい本である。