伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『哲学思考トレーニング』

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))

【評価】 ★★★★★



【紹介】

 哲学の数々の議論の中から生み出された議論の方法について述べられている。例えば、「ほどよい懐疑主義」や「思いやりの原理」など論理学分析哲学などの概念を元に思考のスキルを身に付けよう、というものである。

【感想】

 日本では、哲学は最も役に立たないと思われる。だが、アメリカでは、哲学を学ぶことは「全体的な状況を捉えて分析することができる」と言われるというエピソードがある。この違いは興味深い。

 この本の良いところはいわゆるロジカルシンキングクリティカルシンキングの両方が学ぶことができるという点である。論理のつながりを理解すると同時に「思いやりの原理」などを学び、自分の考えを批判的にみることもできるようになる。

 また、巻末の参考文献が充実している。次のステップの学習に進みたい人にもわかりやすい。この点は初学者である私にはとてもありがたい。