伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『ももクロ論』読了

 

ももクロ論 水着と棘のコントラディクション

ももクロ論 水着と棘のコントラディクション

 

 清家竜介という社会学者とライターの共著である。

 

 中身は、ガチの社会学である。この本を要約や解説することは私にはできない。内容がかなり多岐にわたり、また読むためには専門的な知識も必要となるからだ。

 私が興味深いと思うのは『鎮魂儀礼を司る 現代の巫女=アイドル』という節である。

人間の文化活動の根源には、労働によってモノ化された自己を否定して、自然の連続的な流れへと参入したいという欲望が存在している。その人間の欲望の領域こそがジョルジュ・バタイユのいうところの〈呪われた部分〉だ。

 都市生活者は農耕民と同じくこの〈呪われた部分〉を抱え込む。しかし、共同体の崩壊により、共同体によってなされた祭りによって解放することが出来ない。それゆえ、その祭りの役割をエンターテイメント産業が担っている。すなわち、芸能は鎮魂の儀礼の役割を継承している。

という話である。

 ここらへんはアイドルのコンサートの動画をみると確かに「カーニバル!」という感じでよくわかる。