伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

5月8日 国立新美術館 マグリット展へ行く

美術館のレポート、、、難しい。

 

 何を書けばいいのやら。私は、美術の背景もわからないし、技法なども

わからない。館内は当然撮影禁止だ。

 なので、率直に書く。

 

展示されている作品などはこちらから。

magritte2015.jp

 

 目を引いた作品は

「狂気を冥想する人物」

 

 半笑いの男の絵である。観たときに「あ、電車内や一人で歩いている時の自分はこんな表情しています」という印象だった。人物を写実的に描くというよりも、頭の中に世界が広がっている感じが印象的だった。

 

「哲学者のランプ」

 観たときに思わず、顔をそむけた。自分が喫煙者であることもそうだが、

喫煙中(何か考え事をしている時)に話しかけられたらこんな表情をしているだろうな、と感じたからだ。パイプと鼻がつながり、吐いたものを吸い込んで、延々と堂々巡りしている感じがする。大きく曲がった鼻、ぐにゃりとしたロウソクも印象的だ。デッドエンドへたどり着いた思索が妄想へと転じている感じ。

 

「記憶」と「ある聖人の回想」

 セットで書く。どちらも過去のものである。前者は、暗く、固まり、血がこびりついている。後者は、明るく、澄み渡る空が描かれている。

 多分、現在の人間の心象風景を表すのだろう。過去の事実は変化しなくても、現在の心象風景のよって、過去のイメージは変わる。すなわち、思い出と過去の事実は異なる。ナラティブセラピーの考え方ではないが、イメージは書き換えることができる。

 私が死ぬときの思い出はどちらに近いのだろう?

 

「人間嫌いたち」

 この絵は面白い。「人間嫌い」なのにあつまっている。人間が黒いカーテンで表されている。しかも、カーテンは閉じている。集まっていても、何も開かず、決して交わらない。

 

 

なんだか暗いものばかり取り上げてしまった気がする。

明るい絵も当然ある。

 

作品展は面白いものだった。

 

館内はかなり広いので、仕事終わりからの1時間では回れなかった。

 

もし、行かれる方がいましたら、2時間ぐらいの余裕をもって行くと存分に楽しめると思います。