伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

外は戦場だよ?

先日、攻殻機動隊ariseのテレビバーションを観た。

 

 このEDは青葉市子さんの「外は戦場だよ」

である。(そういえば、ハグロックの時に酸欠少女さユりの登場前にかかっていて少し驚いた)


青葉市子 コーネリアス - BORDER:2 ENDING THEME "外は戦場だ ...

 

 攻殻機動隊の音楽と言えば、菅野ようこのテクノミュージックが代表的である。サイバーパンクという感じがするからだ。

 ちなみに、この曲を通じて青葉市子さんの名前を知った。

 

 この歌はまさにアジール的空間を表す。元の言葉としては、権力や法の支配から逃れる場所という意味である。が、この場合は不可侵、隠れ家という意味で使う。この間、青葉市子さん本人の歌を聴いたときは本当にこういう空間が広がる感じだった。物理的にはバーの中であるが、世間と隔絶された雰囲気が展開されていた。

 

 もちろん、現代社会は法治国家であるので原則として治外法権の場所はない。しかし、世間の価値観やしがらみというものからの隠れ家的な空間は少なからずあるだろう。

 

 私にとっては本屋などがそうであった。が、「成功」や「一流になるための」という言葉が並ぶようになり、少し憂鬱になるときがある。感情や体型なども含めて自己管理を行い、いつでも全力で戦えるように備えなければならない、という圧迫感があるからだ。そうした時に内省的な歌や喪失の歌を聴くとかえって感情が落ち着くものだ。人間らしさを思い出させてくれる。

 

 っていうか、音楽とアジールって絶対に先行研究がたくさんあると思おう。リサーチしていないけど。