伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

岩井俊二『ヴァンパイア』を観る

ヴァンパイア [Blu-ray]

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岩井俊二ワールド全開の映画である。

どこへも行けない人の物語であり、大人になれない人の物語である。

最初から、最後まで、まるで逃避行のような物語でもある。


しかし、岩井映画の蒼井優は不憫である(笑)
でも、確かにこういう役どころははまっている。

この映画は、ストーリーそのものには感動などはない。

ドラマチックな展開もない。というか、なんとなく展開が読めてしまう。

しかし、真骨頂は森のシーンである。

自殺志願者が集う森の中の木漏れ日が美しい。

こういう心理状態の暗さと風景の美しさのコントラストが本当にうまい。