ファンタジー文学に挑戦する
- 作者: 乾石智子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: 単行本
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- 作者: 乾石智子,吉田ヨシツギ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 文庫
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今まで読んだことのない新ジャンル、ファンタジー文学に挑戦する。
小学生時代から「ロードス島戦記」などを読んでいたし、RPGも
好きだった。それゆえ、ファンタジー的な世界観は好きなはずであるが
読んだことはなかった。昔は、ライトノベルなどでもファンタジーは
あったけれど、最近は学園ものか職業もの日常系が多くなっている気がする。
つまり、ファンタジーは廃れたような印象があった。
『夜の写本師』の方は、本屋で見つけたのでなんとなく買ってみた。
魔法の体系や世界や国の設定なども練りこんである。もちろん、バトルもの
ではないので、アクションよりは人間ドラマが中心である。過去の話から
現在の話へとだんだんつながる様は魅かれる。
主人公は復讐のために生きる。最初は自分の経験による。しかし、そのうち
この復讐劇が何度も何度も繰り返されたものであることを知る。
こうした運命の輪に気付く、というところは私個人にもわかるところがあって
非常に引き込まれた。
また、終盤にかけて明らかになる敵側のエピソードも良い。
主人公サイドからは因縁の対決である。敵側から見ると激しく相手を求めていた
ことがわかる。愛憎が入り混じった強い気持ちである。
歌で言うとこの曲かな。
「赤い糸などどこにもなかった」というフレーズは敵側からみた主人公の魂への
思いであるように思える。
『ディアスと月の誓約』はちょっとアッサリしているかな。
ライトノベルとは異なるけれど、ジュブナイルノベルという感じがする。
いや、読みやすいし読了感もいいんだけどね。