伽藍の堂

読書の記録が中心です。たまに音楽や映画などの話も書きます。

『市役所の小川さん、哲学者になる 転身力』

市役所の小川さん、哲学者になる 転身力

市役所の小川さん、哲学者になる 転身力

【評価】 ★★★

【紹介】
 
 自身の半生と大学院生活について書かれている。
 
 前半は、京大→伊藤忠商事フリーター→市役所勤務→高専の教員という経歴の紹介である。
 後半は、その経歴に合わせて、自分がなぜ学問に目覚めたのか、仕事と両立する大学院選び、入試のための勉強の方法、研究についてなどが書かれている。
 
【感想】

 面白い。特に役立ったというわけではないが少し勇気付けられた。

 勉強の方法として「全体構造をつかむことと専門用語を理解すること」という部分は基本でありながら要であると思った。
 また、著者が終章で述べている哲学フォーミュラー(哲学の諸概念を自分なりに公式化したもの)とは内田義彦が述べる概念装置と同様のものであると思った。
 ただ、残念な点はせっかく大学院で幅広い学問に触れたのだから、生涯学習論や社会教育の知見を自身の体験とからめて書いて欲しかった。