伽藍の堂

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『正しく読み、深く考える日本語論理トレーニング』

正しく読み、深く考える 日本語論理トレーニング (講談社現代新書)

正しく読み、深く考える 日本語論理トレーニング (講談社現代新書)

仕事用

【評価】 ★★★★

【紹介】

 言葉の論理を読み解く方法について述べている本である。その方法とは「対」「言い換え」「媒介」の三つである。対とは、対比、比較のことである。言い換えとは、指示語や具体例によって詳しく説明することである。媒介とは三角関係のことである。これらの概念を元に文書を読み解く練習ができるないようになっている。

【感想】
 
 道徳教育や文学教育だけではない国語の教育が必要だ、という著者の意見に賛成である。
 
 さらに「対」「言い換え」「媒介」という概念も非常にシンプルで分かりやすい。だが、媒介についてのみ説明を補足する。
 
 例えば、過去、現在、未来、という三つの語がある。過去と未来は直接はつながらない。しかし、現在という概念が仲介することによってこの三者はつながることが出来る。このような関係を媒介と呼ぶ。

 こうした方法を用いながら文章を読むと文章が立体的に見えるというのは、仕事で相手に最も伝えたいことの一つである。